カワイイxカガク

女子中高生がプログラミングする「ボーカロイド」の世界!

今年で4回目となる津田塾大学(東京)主催の女子中高生のための情報メディア工房こ のイベントは、女子中高生を対象に、理工系の中でも特に『情報・メディア分野』についての関心を持ってもらうための参加型イベントです。情報科学科やメ ディアスタディーズ・コースを有する津田塾大学ならではの学びの特色が活かされたプログラムになっており、午前中はIT企業見学、午後はプログラミング体 験ワークショップと充実の内容です。イベントを通して、『情報・メディア分野』ではどのようなことが学べるのか、そして社会ではその学びはどのように活か すことができるかを掴むことができます。

【2014年のプログラム】

 プログラム_画像

【画像】出典 女子中高生のための情報メディア工房2014

今回カワイイ×カガクでは、「ボーカロイド」「初音ミク」というキーワードに魅かれ、「ボーカロイドオンステージ」ワークショップが開催される「工房その2」を取材させていただきました!

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午前:「日本マイクロソフト株式会社

午前中は、情報通信分野で働くことを参加者である女子中高生たちに具体的にイメージしてもらうため、津田塾大学に通う学生と一緒にIT企業見学を行います。訪問先企業では、最先端の施設見学や、様々な分野で活躍する女性社員のお話を伺うなどの交流の場が設けられています。

マイクロソフト社にて

【写真】午前中のプログラム@日本マイクロソフト株式会社

訪問先の日本マイクロソフト株式会社(品川)では、異なる職種で活躍されている先輩3名から、入社経緯や実際の仕事内容などをたっぷりと伺いました。特に印象的だったのが、広い視野を持つことの大切さについて様々な観点からお話をいただいたことです。その一部をここで紹介させてもらいます。

【プログラミングは世界共通言語!】

”全世界にユーザーがいるということは、色々な文化の人が使用することを踏まえ、多言語・多文化対応化された製品づくりが重要となってきます。そのためには、プログラミングだけを考えるのではなく、世界の人たちと接し、知り合うことが大切です。
マ イクロソフトでは、世界中から集まってくる人と研修やセミナーで一緒になることがありますが、その時、自分たちが日本の文化をどのように理解しているかに よって、その場での関わり方が全然変わってくるんです(笑)英語が得意でなくても、書道ができる人は、それを紹介することで、多くの人と関わり、仕事をす るきっかけにつなげることができるんです。自分たちの文化を知ったうえで、他の文化の多様性を知ることが、これからのグローバル社会では必要になってきま す。また、プログラミングは世界の共通言語。プログラミングは、世界の友だちとつながることができる頼もしい存在です。”(日本マイクロソフト株式会社の先輩のお話より抜粋)

【実際に働いている風景を見る!】

 午前中、グローバルIT企業で活躍する先輩のリアルな話にたっぷり触れた参加者(中高生合わせて16名)から、「IT業界といっても、色々な道があるんだな」女性の技術者というと、すごくできないといけない!というイメージがあったけれど、最初からバリバリでなくてもいいんだ。」「IT業界で働くイメージがゼンゼン変わった!」という声が、中高生からだけでなく、TA(ティーチングアシスタント)として同行していた大学生からも多く聞かれました。

 ※これまでの訪問先企業は、NTT、グーグル、日本IBM、KDDI、ソフトバンク、楽天など、学生の皆さんにとって、どこも魅力的な企業ばかりです。

午後:「ボーカロイドオンステージ」

ポケミク_画像午 後のワークショップのオープングは、小舘亮之先生(津田塾大学学芸学部情報科学科教授/女性研究者支援センターセンター長)の挨拶からスタート!2人1組 のチームになってプログラミングに挑戦します。参加者のほとんどがプログラミング未経験者でしたが、TAが1チームに1人メンター役としてつくので、安心 してワークショップに参加できます。(※津田塾大学の情報科学科に入学してくる学生の7-8割はプログラミング未経験者なので、未経験者ならではの心配や 問題については熟知しています。)

【画像】出典:学研大人の科学

 

【ミュージカル的な何かを作ります!】

「ワークショップでは何をするか?」

「ラズベリーパイ(Raspberry Pi)とポケットミクとスクラッチ(Scratch)を使って、ミュージカル的な何かを作ります!」

イベント全体イメージ写真(2)独特の軽快なトークで、参加者をプログラミングの世界に導く進行担当の阿部和広先生(津田塾大学非常勤講師:スクラッチを使ったプログラミング教育の第一人者)。

参加者のほぼ全員が、「ラズベリーパイって?」「ポケットミクって?」「スクラッチって?」という表情になっていましたが、阿部先生がスライドを使って丁寧に説明をしてくれます。

 【写真】赤いジャンパーを着用しているのが津田塾のTAとスタッフたち。手厚い体制で参加者をサポートします。

ラズベリーパイ(2)ラズベリーパイって?

英国ケンブリッジ大学のエンジニアを中心に開発されたカード型コンピュータ。むき出しの基板で作られた超小型・超低価格のプログラミング学習用のコンピュータは、10年前のパソコンと同性能をもち、様々な機器と接続できる優れモノです。

【写真】カード型コンピュータ・ラズベリーパイ。使用したラズベリーパイは持ち帰ることができます。

 

―ポケットミクって?

ポケミク(2)学研の「大人の科学」シリーズのひとつで、初音ミクの声で演奏できるポケットサイズになった携帯型楽器(eVocaloid:ヤマハが開発した音声合成技術VocaloidをLSIに実装したもの)。ワークショップでは、各チームがオリジナルの楽曲をミクに歌わせます!

【写真】学研大人の科学 ポケットミク

 

―スクラッチって?

米国マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが、きちんとした哲学のもと研究開発したプログラミング言語。色々なパソコンで稼働でき、マウス操作で積み木のようにブロックをつなぐことでプログラムを作成します。

 

【「ボーカロイド」をプログラミング!

イギリスのケンブリッジ大学、日本のヤマハ、アメリカのMITの英知をつなぐことで完成するワークショップですが、どうやってこれらの英知を使って「ミュージカル的な何か」を作るのか?

その具体的なゴールをイメージするために、阿部先生が「アナと雪の女王」を例にしたデモンストレーションを見せてくれま した。すると、それまで不安げな表情だった参加者が、どんどん前のめりになってコンピュータと向き合いだし、どんなミュージカル(物語、歌、振付け)につ くりあげていくのかを、チームで相談しはじめました。

チーム(1)   チーム(2)

【写真】チームで作戦会議!どんなミュージカルの台本となるでしょう?

物語の構成が決まると、歌(メロディーと歌詞)を考えます。次に、物語と歌に絵と振付けを連動させます。音の長さや高さ(音程)、テンポの調整に悪 戦苦闘する参加者たち。しかし、1時間後にはスクラッチによるプログラミング方法を習得し、8チームの個性あふれる「ボーカロイドオンステージ」が出来上 がりました♪

作業(1)   作業(2)

【写真】物語にあった「ボーカロイド」楽曲をプログラミングし、ダンスを連動させます。
優勝作品【写真】優勝作品。「リア充してください(真顔)」「もうだれでもいいから」という歌詞に会場が笑いに包まれた、女子中高生ならではの逸品(?)

 

【参加者の声】

[Aさん] 理工系への進学は決めているものの、まだどの分野に進むのかを検討中のAさんは、「『情報系』がどんなことが学べる分野なのかを知りたくてこのイベントに参加したのですが、『情報系』では未来的なことがたくさん学べる学部」という印象を受けたそうです。

[Bさん] 夏休みを利用して福岡から参加したBさんは、「父親が情報系の仕事をしているので、日常的にソフト&ハードを含め情報関連の興味深い話をしてくれます。そ の影響か、私も情報工学が学べる大学、大学院への進学、そして海外留学もしたい。」と考えているので、現在はその夢の実現に向けて勉強中だそうです。

【学校では体験できない学び】

「コンピュータ」「インターネット」など、情報科学が社会のインフラとして欠かせない存在になっている日常の中で、「情報分野を学ぶ」ということはどういうことなのかについて、学校では体験できない学びができるのが「女子中高生のための情報メディア工房」です。

「小さい経験でも自分がプログラミングをした経験を是非次につなげて欲しい!」という小舘先生が最後に参加者に贈った応援メッセージがとても印象に残りました。

来年の「女子中高生のための情報メディア工房」はどのようなイベントになるのでしょうか? 楽しみですね♪

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津田塾大学は、 1900年に津田梅子氏が設立した女子英学塾を前身とする女子大学です。英語教育で知られていますが、学芸学部に情報科学科(2006年~)と数学科 (1949年~)、大学院に理学研究科情報科学専攻と数学専攻を設置し、理系分野の専門教育も提供しています。日本初の女子留学生として知られる津田梅子 氏ですが、実は2度目の留学の際に、T.H.モーガン(遺伝子が染色体上にあることを示した業績で1933年にノーベル生理学医学賞受賞)の下で生物学を 学ばれています。1892年にはモーガンとともに、カエルの卵の分割についての論文を Quarterly Journal of Microscopic Science誌 (現在のJournal of Cell Science誌) に発表されています。日本初の女子留学生に加え、日本初の国際学術雑誌に論文が掲載された女性でもあります。

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