カワイイxカガク

カワイイ数学コラムVol.1 「誰かに好かれてる確率は?」

カワイイ数学コラムVol.1は、「誰かに好かれている確率を、数学を使って求めてみよう!」です。クラスに「私」のことを好きな人が1人でもいる確率ってどのくらいなのかを数学で考えてみます♪

☆登場人物☆

こ の物語の主人公・真知花(まちか)は、現在先輩に片思い中の高校2年生。好きなものは、「カワイイもの」。嫌いなものは、「メンドクサイもの」。その主人 公の真知花のスクールバッグについているマスコットが、うさぎくん。うさぎくんの好きなものは、「?」。嫌いなものは、「?」

物語

もうすぐ夏休み。みんなが浮足立つこの時期、真知花は浮かない顔をしていた。入学式の時から憧れていた先輩に彼女がいるという噂を聞いてしまったのだ。

 「どうせ私のことを好きになってくれる人なんていないんだ・・・。」

 ベットの上でお気に入りのクッションをぎゅうっと抱きしめる。いつもはこんなこと言わないけど、たまにはこうやって・・・

 「悲劇のヒロインぶってる」

 ・・・ドキッとした。自分の心を言い当てられたのはもちろんだけど、それ以前に、この部屋には真知花しかいないはずなのに。

 「スクバ」

 スクールバッグに視線を移す。そこにはぴょこぴょこ動くうさぎがくっついていた。去年の誕生日にもらったマスコットだ。喋る機能はついてない、はず。

「真知花のこと、好きな人、いないの?」

カワイイ顔をして的確に傷をえぐるうさぎ。何故マスコットが喋っているのかなんてどうでもよくなってきた。

「そうだよ!先輩には彼女がいるし、クラスには20人も男子がいるけど、誰も私のことなんて見てくれないんだよっ」

「20人・・・?」

何かを考え始めるうさぎ。耳がピコピコしている。

(黙ってればカワイイのになぁ)

「ねぇ、20人もいれば真知花のこと好きな人、いるよ?」

「へあ?」

このうさぎは突然何を言い出すのだろう。

数学コラムNo.1メイン画

「高校生→思春期。同じクラスの女子→1日のうち一番長く一緒にいる異性。だから、真知花のクラスの男子は、7~8割、じゃぁ、75%の確率でクラス内に好きな人がいるとする。」

「うーん、まぁ、そうかも。斉藤君は亜美のことが好きって噂だし、高橋君は小百合ちゃんのこと、それに○○君も△△君もetc・・・」

「詳しすぎ」

「女子高生ネットワークはすごいのだ。あれ、なんだか若干ひかれてる?」

「話、戻す。男子が20人ってことは女子も20人、合ってる?」

「うん」

「じゃぁ、もしとある男子にクラス内で好きな人がいたら、それが真知花である確率は1/20。ここで問題。ある男子が真知花のことを好きな確率は?」

「えーっと、まず、クラス内に好きな人がいる確率が75%だから、3/4だよね?それで、しかもそれが私である確率は1/20だから・・・

数式(1)

・・・3/80?」

「正解。でもこれはある1人の男子が真知花を好きな確率。クラスには20人の男子がいる。クラスに1人でも真知花のことを好きな人がいる確率は?」

「20人分を掛け算すればいいんだよね!

数式(2)_2

・・・だから、えっとー・・・約 1029分の1。日本語で言うなら10穣分の1。」

日本語・・・?よくわからないけど、それって限りなくゼロに近いんじゃないか。

絶望する真知花。それを見下ろす白うさぎ。

「計算方法、間違ってるけど。真知花が今出した確率は、『クラスの男子全員が真知花のことを好きな確率』。少女漫画もビックリ。」

数学コラムNo.1サブ画「そうなの!?少しでも確率が上がるなら正しい答えを教えて!!」

思わず身を乗り出す。

「今知りたいのは『クラスの男子で1人でも真知花のことを好きな人がいる確率』なんだから、真知花のことを好きな人は1人でも2人でも3人でもいい。」

「え、それじゃあ1人のときの場合と2人の時の場合と・・・全部考えなくっちゃいけないの?めんどくさいよーやだー。」

「実は簡単なやり方がある。反対を考えてみて。」

「んんー??もしかして『クラスの誰からも好かれてない場合』!?」

「そう。真知花、賢い。」

えへへ。たとえマスコット相手でも褒められて悪い気はしない。

「早く計算して。」

飴と鞭の切り替えが早すぎる。

「オニうさぎ・・・。まず、ある1人の男子が私のことを好きでない確率は、100%から私のことを好きな確率を引けば良いから・・・

 数式(3)

・・・77/80だよね。20人全員が私のことを、うっ、好きじゃない確率はこれを20回かけ算すればいいから・・・

数式(4)

・・・これを計算すれば良いんだよね?」

「合ってる。じゃあ最後に、クラスの誰か1人でも、真知花を好きな確率は?」

「わかった!!100%から、さっきの『クラス全員から好かれてない確率』を引けば良いんだね!!計算は・・・」

「やってあげる。」

数式(5)

「約0.53。ね、53%の確率で誰かが真知花のこと好きだよ。全然低くない。」

突然動き出した不思議なうさぎは、そう言ってつぶらな瞳で真知花を見つめるのだった。

★次回は、「クラスに両想いの組が1組でもいる確率」についてです。楽しみにしていてください★

【イラスト】山本 真衣

☆カワイイ数学コラム・ライター☆

廣政緩子(慶應義塾大学大学院修士2年数理科学専修)

論理クイズや数学パズルが大好きな数学女子。将来の夢は数学博物館を作ること!数学の楽しいとこをぎゅぎゅっと集めた『mathetainment(マステイメント)』を普及中です。

今お読みになっているのは・・・?

Loading ... Loading ...