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ウィルス研究者からITコンサルタントへ! ー システムは社会のDNAコード -

フューチャーアーキテクト株式会社 アドバンスドビジネス本部 シニアコンサルタント

企業編木下 尚美さん

フューチャーアーキテクト株式会社 アドバンスドビジネス本部 シニアコンサルタント

石川県出身。国立金沢大学教育学部附属高等学校卒。2007年東京大学大学院農学生命科学研究科卒業。同年より、ITを武器とした課題解決型のコンサルティングサービスを提供するフューチャーアーキテクト株式会社に就職。プライベートでは、2012年にご結婚。

取材日:2014年5月

高校のころ、物理が好きだったという木下さんは、東京大学で生命科学系の研究(アルファウィルスの複製機構解明)を行い、修士号を取得。その 後、ITコンサルティング会社のフューチャーアーキテクトに就職。現在は、大手商社にて財務部システムの保守運用業務のプロジェクトリーダーとして活躍中 です。一見すると、全然関係なさそうなこれらの経歴を、木下さんはどのように考え築いていったのか、お話をうかがってきました。

物理、英語、現代文が得意科目だった高校時代

大学では生命科学系の研究をされていましたが、高校の時から理数系は得意だったんですか?

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そうですね。特に物理が得意で好きでした。自然や世界の仕組みを知るのが面白くて。あと、英語と現代文も好きでした。逆に、苦手なのは社会。とにか く暗記ものが覚えられなくて(苦笑)。大学での専攻は生物系でしたが、高校時代のテストでは物理の方が点数は良かったです。生物には暗記ものがあったので (笑)。
でも、大学に入ってからわかったことなのですが、実は歴史ではかなりロジカルな思考が問われるし、私は「暗記が苦手だから理系」と歴史を遠ざけてしまいましたが、そういう選び方はしない方がいいと思います。

大学を選んだ理由は?

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私は金沢出身なのですが、とにかく「都会」に出たいという気持ちが強かったのと、高校の先生からいただいた「大学は一生の友人を作れる場所だから、刺激をもらえるような人たちがいるところへ行った方がいい」というアドバイスが大きなきっかけとなりました。
でも、親からは私立への進学は反対されていましたし、東京の国立大学で、しかも親に納得してもらえる大学ということで、これはもう「東京大学」に受かるしかない!と思って頑張りました。

【写真】高校の卒業式、現代文の先生と一緒に

そして無事に東京大学に合格したと。ちなみに、おすすめの勉強法って何かありますか?

好きな海外ドラマのセリフ部分を編集してMDに入れて、通学中にひたすら聞いていました。内容は(もともとドラマを見ているので)わかっているし、 何回も繰り返し聞いたのでほとんど覚えてしまいました。もちろん、リスニングの練習にもなりましたし、ライティングの時にも実際に使われているフレーズが わかるので役立ちました。

空前の生命科学ブーム!研究者からITコンサルタントへ

大学では生命科学系の研究をしていたんですよね。

はい。私が学生の頃は、ちょうど生命科学系がブームだったんです。「ヒトゲノム解明」とか!

修士課程に進まれた理由は?

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学部で就職をする場合、就活がスタートする時期と研究室への所属時期がちょうど重なってしまうんです。せっかく最先端の科学に触れている指導者に師 事し、刺激的な仲間と切磋琢磨できるという恵まれた環境にいるのに、これを活かせないで卒業するのは「もったいない!」という思いから、修士課程に進むこ とに決めました。
そして、研究活動を4年間みっちり経験したことで、科学を日々前進させていく人々の喜びや苦悩、矜持を身をもって体験できました。

研究テーマについて教えてください。

私は遺伝子やDNAに関する研究をしていました。生命の設計図であるDNAを読み解くことで、生命の仕組みを解明できるところに興味を持ちました。 とりわけウィルスについて研究していたのですが、ウィルスは核酸とタンパク質だけのとても単純な構造をしているんです。自分だけでは増殖もできない、そん な生物かどうかさえわからないような存在が、他の生物を利用してどう増えていくのかが面白いんです♪

博士課程に進もうとは思わなかったんですか?

研究者生活は、人が想像しているよりずっと大変です。周りを見ていても、精神的にも経済的にも、不遇な環境になったとしても「このタンパク質のことを知りたい!!!」という人じゃないとやっていけないと感じました。

就職はどのような分野に進もうと思っていましたか?

IT業界です。就職は新しい分野に挑戦できるチャンスなので、全く知見のない職種で興味があるところを選ぼうと思いました。
昔から仕組みを知りたい気持ちが強くて。高校で好きだった物理も自然や世界の仕組みですし、大学で研究したDNAも生き物の仕組み。じゃあ社会の仕組みは 何でできているんだろうと考えたとき、それは「システム」にすべて落とし込まれているんですよね。今は人や物やお金が移動していくフローはほとんどシステ ム化されているので、システムのソースコードを見れば世の中がどういうからくりで動いているか分かるのではないかなと。
それに加えて、昔から機械音痴だったので、パソコンやITが使えるとカッコイイ♪という気持ちもありました(笑)

振り返ってみて、今でも役に立つ勉強ってありますか?

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むしろ、役立たない勉強なんてないですよ!
もちろん理系の科目も役立っていますが、金融系のシステムを扱うには金融工学をはじめとする高度な数学的素養に加えて、経済的な知識も必要です。
そういう意味では、文系科目も含めた今まで学んだ全てのことが役に立っていると思います。

【写真】大学院卒業の日に、思い出の赤門前で

入社後わずか6年 でプロジェクトリーダーに!

入社から現在までに経験した業務を教えてください。

入社から4年は、運送会社の勘定系システム構築を担当しました。システムの設計・開発・テスト・リリースまで一通り体験させてもらいました。今は総合商社の財務部向けシステムの保守運用を担当していて、プロジェクトリーダーをやらせてもらっています。

もうプロジェクトリーダーをやっていらっしゃるんですね!

はい。若手に仕事を任せてくれるっていうのがこの会社の良いところです。他にも、エンジニアであることに誇りを持てるところがフューチャーアーキテ クトの長所だと思います。他の会社ではプログラミングを下請けに回したりすることもよくありますが、本来は優秀なプログラマーはもっと評価されるべきだと 思います!!

IT業界といえば、昼夜なくバリバリ働く職場というイメージがありますが、女性が働く業界としてはやはりハードな業界なのでしょうか?

そうですね、昔はそのようなこともあったみたいですが、最近では、この会社でも新卒で入ってきた女性たちが出産・育児を経験して復帰する例も増えて きて、だいぶ変わりましたよ。これまで以上に、女性が活躍できる職場になってきていますし、結婚しても、母親になっても働ける職場にしていけるよう、私も 一役買えればと思います。私の同期でも赤ちゃんを産んで戻ってきた人がいますよ!

最後に、「理工系女子」の後輩たちにメッセージを!

自分の好奇心に正直に生きてください!!

ありがとうございました!

  • カメラマン:工藤 玲久
  • ライター:廣政 緩子(慶應義塾大学大学院 数理科学専修)

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